第一列
温泉水に療効があるのは、泉水が生み出す物理的・化学的作用によるものです。物理的作用とは、水の湿熱が毛細血管を拡張させ血液循環を促進し、同時に水の浮力と圧力がマッサージ・消腫・収斂・鎮痛の効果をもたらすことです。化学的作用とは、泉水中の鉱物質や特殊な化学成分が人体にさまざまな影響を与えることで、数千年前のローマやエジプトの時代から温泉は保健養生に利用されてきました。温泉に含まれる多くの鉱物質は、免疫機能の促進、抗炎症作用、関節の強化、動脈硬化の軽減、心臓血管機能の強化に寄与し、温泉の温熱療法は全身の筋肉をリラックスさせ、痛みや不快感を解消します。
温泉入浴で大量に発汗し血管が拡張することで新陳代謝が促進され、神経痛や関節炎の消炎鎮痛に効果があります。硫黄泉は皮膚疾患(水虫、痔、乾癬、湿疹等)の治療に大きな効果があり、硫黄中の微量鉱物質は空気中に薄膜を形成し、吸入することで鼻炎やアレルギー性鼻炎に対する免疫力を高めます。硫黄泉はリウマチの治療に最も理想的な泉質とされ、pH8以上のアルカリ性炭酸泉は痛風の治療にも優れた効果があるとされています。
日本の群馬大学医学部附属病院草津分院の研究によると、pH2程度の酸性で42度の温泉水に毎日2回、各10分間入浴し、2か月間続けると、アトピー性皮膚炎の4分の3に改善が見られました。また、38度の温泉水の中で慢性肺疾患の患者が立って息を吸い、しゃがんで鼻を温泉水に浸し、口からゆっくり息を吐くことを毎日3回、2か月間続けると、動脈中の二酸化炭素が減少し呼吸がよりスムーズになります。さらに、温泉の座浴は肛門の血液循環を促進し痔の悪化を防ぎます。風邪をひきやすい方は、39度の温泉に浸かることでリンパ球が刺激され、免疫力が向上します。